活動報告

副大臣公務

特効薬で福島から世界を救う!福島医大コロナ解析研究を政府プロジェクトへ!

新型コロナの影響で様々な活動が制約される中、文部科学副大臣として、子供達の「学びの保障」、学生達の「修学の継続」等の対策に尽力しています。緊急事態に対処すると同時に、やはり根本解決のためには、治療薬やワクチンの開発が急務です。「どんなに頑張っても開発には2~3年はかかる」と言われる中、一刻も早く効果的な薬が国民に供給されるよう、研究当事者の声に(時に激励を交えながら)耳を傾け、開発が少しでも前倒しで実現するよう掛け合ってきました。

福島から生まれた希望の芽

新型コロナウィルス感染症への対策は、人の免疫力が鍵を握っています。そこで重要な役割を果たすのが「抗体」です。予め体に抗体を作り出して感染しにくくするのがワクチンですが、他方、ウィルスへの有効性が確認された抗体を人に投与することで感染予防・治療を行うのがいわゆる「抗体薬」です。新型コロナウイルスに有効な抗体が特定されれば、それが「特効薬」になるのです。
しかしながら、人体に膨大に存在する抗体の中から、新型コロナウイルスに特に有効で、かつ、人体に影響を及ぼさない抗体を特定するのには、技術的に膨大な手間を要すると言われていました。
これに対し、福島県立医科大学で復興事業として開発した技術を基にした「免疫モニターチップ」を用いることで、新型コロナウィルスへの反応が高く、他のタンパク質には反応しにくい抗体の判別を簡便にかつ大量に行えることが確認されました。

⇒福島発の技術で「特効薬」の実現に道筋が!

今後、福島発の技術を用いて大量の血清サンプルを解析することで、抗体薬として効果を発揮する有望な抗体を抽出し、これを生み出す遺伝子(抗体遺伝子)を特定することができれば、抗体薬の製造ができるようになります。
この実現ため、福島県立医科大学だけではく、広く研究機関、医療機関や製薬会社と連携する体制の下に、以下の取組を推進してきます。

解説福島発免疫モニターチップとは?
○新型コロナウイルス感染経験者からの血清の収集と解析
○必要量を確保できるだけの生産体制の構築
○抗体遺伝子の取得とそこから生産された抗体の性能確認
細胞の様々な機能は主にタンパク質が担っており、機能の解明にはタンパク質自体を解析する必要があります。ライフサイエンス界が遺伝子情報を扱うゲノム研究全盛の時期にあって、10年前からタンパク質の重要性に着目した福島県立医科大学の研究を応援してきました。
免疫モニターチップは、復興事業により開発したタンパク質マイクロアレイ技術を基にしています。多数のタンパク質をガラス基板に搭載し、人がもつ抗体がどの種のタンパク質にどの程度反応するかを比較して解析することができます。 この技術は、今般の新型コロナウィルス感染症の対策に貢献できるだけではなく、今後未知のウィルス感染症が蔓延した場合にも、迅速に有効な抗体の特定を行うことが可能とされています。
多様な研究開発への支援!
新型コロナウイルス感染症の克服に向けて様々なプロジェクトが進行しており、多くの研究者や研究機関の関係者と議論、意見交換を行ってきました。その中からも国民に希望を与える成果が生まれることが期待されます。
・大阪大学(DNAワクチンの開発、VLPワクチンの開発)
・東京大学(mRNAワクチンの開発)
・国立感染症研究所(組換えタンパクワクチンの開発)
・横浜市立大学(抗体測定法(簡易検査キット)の開発)   等
【政府における文部科学副大臣として取組】
・文部科学省新型コロナウィルス感染症対策本部本部長代理。
・政府の新型コロナウィルス感染症対策本部会議に隔回(大臣と交代)で出席。
・新型コロナウイルス感染症対策Techチームにメンバーとして参画。 etc.
⇒その成果の先に目指すのは、「福島から世界を救う」!

取組の発端と経緯
2019年末、中国武漢で新型コロナウィルスによる肺炎の発症が公表されました。2020年1月中頃には、国内でも新型コロナウィルスへの感染者が確認されました。
日本における新型コロナ対策の転機となったのは、2月上旬に横浜に寄港したダイヤモンドプリンセス号への対応ではないでしょうか。連日報道で取り上げられ、世間の注目を集めましたが、このころの国内対応は、水際対策と国内感染拡大防止に重点が置かれ、感染症そのものへの対抗策、つまり、治療薬やワクチンの開発をオールジャパンで取り組むことにリソースが割けていなかったのだと思います。
本来は、感染症対策や医療行政を担う厚生労働省が中心となって進めるのですが、ダイヤモンドプリンセス号への対応、国内感染状況の把握・分析、感染拡大防止等に追われる中でもあり、大学や研究開発を所管する文部科学副大臣として、新型コロナを克服するための研究開発の推進に協力しなければと決心したのです。
「きっかけは福島県立医科大学からの新たな結果報告から」
ダイヤモンドプリンセス号対応が始まった2月上旬、福島県立医科大学から、抗原ウィルスの提供があれば、これまでの研究成果を生かして新型コロナ対策に貢献できるとの申し出がありました。福島亀岡プロジェクトの萌芽でもあります。ところが、当時は国立感染症研究所から広く研究機関に対して抗原ウィルスを提供し、協力を呼びかける体制がなく、厚生労働省にも働きかけましたが、実際に研究機関に提供されるようになったのは一月程後のことです。
非常事態にもかかわらず、必要な取組が迅速に進まないことに危機感を感じ、そこから沢山の研究関係者から話を伺うことにしました。
「話を聞くほどに感じた強力な推進力の必要性」
新型コロナ対策に関わる研究者や研究機関の方々から話を聞く中で感じたことは、個々の研究は懸命に取り組まれているが、全体としてどこに向かって力を結集していくかが見えてこないことでした。成果の見通しについても、堅実な状況分析はもちろん重要ですが、国民に安心感を与えるためには、治療薬やワクチン実現の光を示すことだと考え、研究当事者の方々には、「とにかく早く実現するために出来ることを考えて欲しい」「皆さんがやると言わないことには誰も実現に希望が持てない」「早く進めるために必要なことがあるなら何でも言ってきて欲しい」ことを重ねてお願いしてきました。
「政府の一員として一層の取組を」
その後、新型コロナウィルス感染症対策担当大臣に、西村経済財政担当大臣が任命され、政府としての司令塔機能が整備されました。治療薬やワクチン開発への支援も強化されています。
今後とも文部科学副大臣として新型コロナウィルス対応に一層注力するとともに、これまで関わってきた研究開発が成果として国民に提供され、新型コロナを克服できるよう、継続して関わっていきます。

協議記録一覧はこちらです↓

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