活動報告

副大臣公務

医療体制の確保、心の貧困回避に向けた取組(文部科学副大臣1年間の活動を振り返る14)

文部科学省の業務範囲は多岐にわたるが、一方で行政の役割には限界もある。
ただ、非常事態においては、既存のやり方に係わらず、
迅速に必要なところに
必要な対策をとらなくてはならないため、
ここまでが自分の仕事と線引きして
は大切なことが見落とされる可能性がある。
前例や慣習などにしばられず、「必要なところに必要な支援を」と、自ら行動し続けた。

◆貢献が報われる支援の実現

新型コロウイルス感染症対応において最も賞賛されるべきは医療従事者の方々だろう。
医療といえば厚生労働省の所管だが、文部科学省も大学の附属機関としての大学病院を所管するという立場では関わりがある。
大学病院は、医療機関全体からすれば少数ということではあるが、多くの大学病院で感染患者の受入れを行っていた。
懸命に新型コロナ感染症に立ち向かう大学病院関係者から私の耳に届いたのは、物資不足や経営危機といった窮状であった。
貢献は必ず報われなければならない。大学病院の声を拾うのは自分しかいないと感じ、各方面にサポート体制の充実を掛け合ってきた。
私のそうした活動姿勢に日本医師会横倉会長(当時)も頼ってくれるようになり、一緒になって大学病院を含めた医療支援の実現に取り組ませてもらった。
令和2年度2次補正では医療支援関係では2兆円超の支援費が措置された。

医療支援体制の充実に取り組まれていた日本医師会横倉会長(当時:左から2人目)、全国大学病院長・医学部長会議の嘉山委員長
(右端)、国立大学協会の永田会長(左端)らとともに、最大の功労者である医療従事者の働きに報いることが出来るように取り組んだ。

◆「心の貧困」を回避するために

新型コロナウイルス感染症は学校教育に多大な影響を及ぼしたが、同じく部活動への影響も甚大だった。
春の甲子園大会を始め全国規模の大会が相次ぎ中止され、夏の高校総体も中止が決まり、夏の甲子園大会もこれに続いた。
運動部だけではなく、高校総合文化祭も実施方法を前例のないオンライン形式での開催を目指すこととなった。
中学校以下の全国規模の大会も同じような状況である。部活動に熱心に取り組んできた生徒にとって、全国大会は憧れの目標であり、
春に続き、夏の全国大会も中止となったことは、非常に残念なことであり、特に3年生の生徒は、夏の大会を最後に引退する者がほとんどだ。
学校の再開は進んでいるが、私は、このまま放置しておけば、高校3年生達の中で、目標を失ったことによる「心の貧困」が生じかねないと憂慮した。
是非とも気持ちを切り替え、部活動に前向きに取り組んでもらうために、3年生の目標となる大会の開催に向けて、
各地域の関係者において検討を進めてもらいたいと訴えかけた。
これを支援するため、文部科学省としては、令和2年度2次補正予算において、全国大会の代替となる地方大会について、
開催経費を支援するための補助金を計上するとともに、地方大会の優勝者に文部科学大臣特別賞の授与を行うこととしている。

令和2年6月4日の副大臣会議
このような私の問題意識と文部科学省の取組については、定例の副大臣会議において紹介し、各省庁の副大臣にも支援と協力を呼びかけた。

結果→各地域でそれぞれのスポーツ競技会が開催され、躍進する生徒の皆さんとともに多くの感動を呼び起こした。
子園での交流試合はじめ中学生、高校生の各クラブ活動に区切りがつけられた。決断が大切な場面であった。

 

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