活動報告

副大臣公務

新型コロナウイルス克服に向けて(文部科学副大臣1年間の活動を振り返る10)

国民に希望を「福島から世界を救う!」

過去記事:目指すのは、「福島から世界を救う!」をご覧ください。

自らプロジェクトディレクター(PD)として

どのプロジェクトでもそうだが、プロジェクト推進の司令塔となるディレクター(PD)を誰が務めるかで事の成否は影響される。本来であれば、PDには専
門的知見を持ってチームをまとめ上げられる専門家が適任だが、今克服すべき課題である新型コロナウイルス感染症に対応するためには一刻でも時間が惜しい。
常識にとらわれての回り道は許されない。とにかく今動ける者が動くしかないと、軌道に乗るまでの間、私がPDとなって取り組んできた。

<PDとしての主な活動実績>
○プロジェクト推進の連携に向けた協議
・第一三共株式会社(眞鍋社長等)
・富士フイルム和光純薬株式会社(白木社長等)
・特定医療法人大坪会(大坪会長等)
・大阪大学微生物病研究所(岡田所長等)
・医薬基盤・健康・栄養研究所(米田理事長等) 等
○プロジェクト理解の促進に向けた協議
・西村康稔経済財政担当大臣(新型コロナウイルス感染症対策担当大臣)
・自民党国会議員
・日本医療研究開発機構 三島理事長
・日本医師会 横倉会長 等

プロジェクト始動

令和2年7月10日。プロジェクト関係者での打合会を行い、ここで正式にプロジェクト統括者を竹之下福島県立医科大学理事長に引継ぐ形でプロジェクトが
始動することとなった。
最初に福島県立医科大学から話を伺ってからおよそ5ヶ月。PDとして関係機関との協力関係を構築しながらプロジェクトの立ち上げに奔走してきた成果がよ
うやく一つの形になった瞬間であった。この打合会には、オブザーバーとして、橋本厚生労働副大臣、自見厚生労働大臣政務官、地元福島から森まさこ参議院議
員、上杉謙太郎衆議院議員らも参加してプロジェクトの始動に立ち会ってくれた。他にも多くの関係者が私の呼びかけに応えて参集してくれた。

プロジェクト推進体制

統括者 :竹之下誠一(福島県立医科大学理事長)

 統括機関:一般財団法人福島医大トランスレーショナルリサーチ機構

 連携機関:福島プロテインファクトリー株式会社福島セルファクトリー株式会社  ⇒中和抗体、抗体遺伝子の取得 等

      一般財団法人健康医学協会附属東都クリニック ⇒血液サンプルの収集

      第一三共株式会社 ⇒抗体医薬品としての生産方法検討

      富士フイルム和光純薬株式会社 ⇒検査試薬としての生産方法検討

福島県立医科大学臨床研究センター ⇒治験等

      このほか各種データの蓄積のため、大阪大学微生物病研究所、(独)医薬基盤・健康・栄養研究所等の協力を得る。

(これまでの主な協議実績)

・福島県立医科大学(竹之下誠一理事長他):随時

・特定医療法人大坪会(大坪修会長他):5/18、5/25

・第一三共株式会社(眞鍋淳社長他):4/9、4/16、4/24、5/25、6/16

・富士フイルム和光純薬株式会社(白木一夫社長他):6/16

あくまでここからがスタートであり、結果を出さなければ意味がない。このプロジェクトに多くの関心が集まっていることを後ろ盾として竹之下PDには是非
とも突き進んでもらいたい。もちろん、PDを引き継いだとはいえ、これは福島復興プロジェクトである。私は全身全霊をかけてプロジェクトを成功へと導いていく覚悟である。

今後の開発目標(短期)

抗体医薬品(体内投与型) ※IgA抗体、IgG抗体がターゲット

新型コロナウイルスに対する中和抗体(特に中和活性の強いもの)について、注射器により体内投与する方式での医薬品承認を目指す。

抗体医薬品(鼻孔噴霧型) ※IgA抗体がメインターゲット

新型コロナウイルスに対する中和抗体(特に中和活性の強いもの)について、鼻孔粘膜(又は咽喉粘膜)に噴霧する方式での医薬品承認を目指す。

※主に予防薬としての活用を想定

※実用化を迅速にするため医薬部外品としての製品化も視野に入れる

検査試薬(抗原・抗体検査用)

新型コロナウイルスに特異的に反応する抗体、様々な抗原について、抗原・抗体検査用の検査試薬としての製品化を目指す。

 

【開発課題】

・大学等研究機関、医療機関、製薬企業等と連携しながら、医薬品としての承認に向けた各種データの蓄積を図る。

・安定した品質で大量生産ができる製造方法の確立と生産体制の確保を図る。

・多くの感染症回復者の血液から継続してより高性能な中和抗体の取得を図る。

・抗原に対して有効な中和抗体の特定プロセスと生産手法の標準化を図る。

【7月10日の打合会の様子】

打合会出席者 ※敬称略

衆議院議員・文部科学副大臣 亀岡偉民
福島県立医科大学 理事長 竹之下誠一
同 教授 渡辺慎哉
福島医大トランスレーショナルリサーチ機構 理事長 家村俊一郎
特定医療法人大坪会 会長 大坪 修
一般財団法人健康医学協会東都クリニック 副院長 佐原由華子
第一三共株式会社 バイオロジクス本部長 藪田雅之
同 モダリティ研究所長 橋本隆二
同 渉外部 今荘秀徳
富士フイルム和光純薬株式会社 取締役 盛 継彦
同 試薬営業本部長 斎藤 智
大阪大学微生物病研究所 所長 岡田雅人
同 教授 松浦善治
医薬基盤・健康・栄養研究所 理事長 米田悦啓
同 医薬基盤研究所長 近藤裕鄕
(オブザーバー)
参議院議員・法務大臣 森まさこ
衆議院議員・厚生労働副大臣 橋本 岳
参議院議員・厚生労働大臣政務官 自見はなこ
衆議院議員 上杉謙太郎
内閣官房新型コロナウイルス感染症対策室 室長 樽見英樹
内閣官房健康・医療戦略室 次長 渡邉その子
内閣府科学技術・イノベーション政策担当 審議官 堀内義規
経済産業省商務情報政策局生物科学産業課 課長 田中哲也
日本医師会 常任理事 釜萢 敏
日本医療研究開発機構 理事長 三島良直
順天堂大学 学長 新井 一
理化学研究所 生命機能科学研究センター
生体分子動的構造研究チームリーダー 嶋田一夫
事務局 赤井正輝

◆ワクチンの早期実現に向けた研究開発の加速

新型コロナウイルス感染症の克服に向けて、世界中で様々な研究開発が進行しているが、多くの研究者や研究機関の関係者と議論を行ってきた中で、私の思いに共感し、意気込みをもって取り組んでもらっているプロジェクトが他にもいくつかある。その中からも国民に希望を与える成果が生まれることが期待される。

・大阪大学(DNAワクチンの開発、VLPワクチンの開発)

・東京大学(mRNAワクチンの開発)

・国立感染症研究所(組換えタンパクワクチンの開発)

・横浜市立大学(抗体測定法(簡易検査キット)の開発)  等

株式会社アンジェスと合同で開発を進めているDNA ワクチンの進捗状況を聴取した。

薬学研究科では治療薬の候補となりうる化学物質のスクリーニングを行っている。

微生物病研究所では、ウイルスを扱う研究を行う上で重要なBSL3施設を視察した。

蛋白質研究所では、高性能電子顕微鏡等を用いて、構造解析等を進めている。

 

令和2年6月、大阪大学を視察した。大阪大学は、これまで何度も議論を重ね、私の思いを受け止めてくれている大学の一つである。

 

 

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